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第七話
オレリアがハバリー国にやってきて七日目。
ラフォン城の隣にある礼拝堂で挙げられた二人の結婚式に立ち会ったのは、ハバリー国の関係者のみ。もちろん、トラゴス国の人間は誰もいない。
――ハバリー国も舐められたものだ。
――子どもじゃないか。
――まるでままごとだな。
そういった声も聞こえてきたし、そう言われるだろうとオレリアもわかっていた。
アーネストと並んで歩いても、彼の胸元にも及ばない身長。どこからどう見ても子ども。
誓いの口づけは、アーネストがかがんでオレリアの額に唇を落としてくれた。どうしてアーネストがここまでよくしてくれるのか、オレリアにはわからない。
だけどこれで彼とは家族になった。その事実がオレリアの心に光を灯した。
結婚式が終わって食事会が開かれる。もちろんその中心となるのはアーネストとオレリアである。
「緊張したか?」
食堂へと向かう途中、アーネストがオレリアを気遣って声をかけてきた。
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