第七話

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 そうやって周囲を観察しながら、オレリアは皿の上に並べられた料理をゆっくりと食べていたが、アーネストが「そろそろ」と声をかけてきた。 「俺たちは先にここを出るんだ。あとは放っておいていい。勝手に食べて飲んで、朝まで騒ぐだけだ」  新婚の二人が先に席を立つのは、これから二人で迎える初めての夜のためだと、昨日、マルガレットが教えてくれた。初めて顔を合わせてから、結婚式の準備を手伝ってくれたのも彼女だった。今年、二十歳になった彼女は、ダスティンとは二年前に結婚したらしい。王妃であるのに率先して動くのは、やはりミルコ族の血筋なのだろう。 「では、俺たちは先に失礼する」 「ひゃっ……」  急にアーネストがオレリアを抱き上げたものだから、小さく悲鳴をあげてしまった。それをニヤニヤとしながら見守っている者もいる。 「仲がよくてうらやましいですな」 「見た目だけは十分にかわいらしい花嫁だ」  食堂を出る二人の背に、そのような声が届いてきたが、アーネストはそれを無視して食堂を出た。  薄暗い回廊を、オレリアは彼に抱かれたまま移動する。自分で歩けると口にしたが、アーネストは彼女を下ろす気はないようだ。
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