第八話

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 今ではミルコ族の代表である奪スティンがハバリー国の国王でもあるため、ミルコ族に族長はいない。だけど、アーネストは彼を族長と呼んでいたし、他のミルコ族もデンスを族長と呼ぶ。ダスティンを国王と呼んで、区別しているようだ。  だから、オレリアもデンスを族長と呼んでみたのだが、彼は初めて顔を合わせたときのように難しい顔をしている。鼻の上にまで縦筋を刻んだ。 「族長さま?」  余計に縦筋が深くなる。 「オレリア。多分、お義父様は、他の呼び方を期待しているのよ」  隣に座っているマルガレットは上品に笑う。 「他の呼び方、ですか?」  オレリアは困って、首をコテンと横に傾げた。他の呼び方。名前で呼ぶしか思い浮かばない。 「名前で呼んでもよろしいのですか?」  そう尋ねると、ちょっとだけデンスの縦筋がやわらいだものの、難しい顔から変化はない。ということは、名前で呼ぶは不正解。 「親父。オレリア相手に大人げない。そうやって彼女をいじめるのはやめてくれ。私がアーネストに叱られる」 「いじめてはいない。これはクイズだ」 「クイズ?」  デンスはオレリアからなんと呼ばれたいのでしょうか?
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