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声を出せば、涙もこぼれそうになる。唇をかみしめ、ただ呆然と手紙の文字を見るしかできない。じんわりと涙が浮かび、視界が滲み始める。
「オレリア……?」
マルガレットも、何も言わないオレリアに不安になったのだろう。ひょいっと手紙をのぞきこんできた。
「え? オレリア、ちょっとよく見せて」
彼女はオレリアの手の中にあった手紙一式を、ささっと奪い取る。
「……な、なに、これ。兄さんはいったい何を考えているの?」
その言葉で、手紙に書かれている内容が事実なのだろうと悟った。
「しかも、書類まで……」
マルガレットは慌てて部屋を出て行く。手紙も書類も、彼女は奪って出て行った。
それでも先ほど見た手紙の内容を忘れるなどできない。
一文字、一文字、丁寧に書かれていた。彼が何を思ってそう書いたのかはわからない。
――離縁してください。
オレリアは、その場で泣き崩れた。
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