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シャトランがぼそりと呟くと、他の二人もうんうんと頷く。
「だからオレリア。今日から儂のことを義父と呼ぶことを許す」
「お爺さまの間違いではないのか?」
ダスティンが低い声で言えば、デンスが小さく舌打ちをする。
「そんな……恐れ多いです」
オレリアは肩を縮こめて恐縮する。
「恐れ多くはない。儂はお前の後見人となった。その関係をはっきりと他の者にも知らせるために、呼び方は大事だ」
「後見人であって、娘にしたわけではないのにな」
ダスティンの言葉を、デンスはギロリと睨みつける。
「ダスティンの言うことは聞くな。いいか? 今日からお前は儂のことを義父と呼ぶように。特に、他の者がいる前では堂々とそう呼べ」
「やぁねぇ。この人、本当に素直じゃないの。ごめんなさいね、オレリア」
いえ、とオレリアは小さく首を振る。だけど、心には花が咲いたようにぽっとあたたかくなった。
それから、オレリアはデンスを『お義父さま』と呼ぶのだが、オレリアがそう呼ぶたびにデンスの顔が気持ち悪いくらいに崩れると、ダスティンは言っていた。
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