第八話

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 それからもう一つ。オレリアが成人を迎えてから聞こえるようになったのは、オレリアの再婚の話である。しかしオレリアはアーネストとの婚姻関係を解消していない。そういった話がオレリアの耳に届いたときには、デンスやシャトランが一喝していたが、それでも噂というのはさまざまな人を介して届いてくるもの。  そういった話が聞こえてきた不安を、アーネストの手紙にしたためた。  だけどもちろん、返事はこなかった。  そしてオレリアがラフォン城にやってきてから十二年が経ち、オレリアも二十歳となった。  二十歳の誕生日を五日過ぎたときに、アーネストから初めての手紙が届いたのだ。  マルガレットも見守る中、気持ちを高まらせたまま手紙を開けると、そこには疑いたくなる言葉が書かれていた。  ――離縁してください。  ご丁寧に離縁届の書類まで同封されていて、アーネストの名はしっかりと直筆で書かれていた。 「はぁ? 兄さんたら、何を考えているの? ちょっと待ってなさい、オレリア。今、ダスティンとお義父様たちを呼んでくるから」
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