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目の前には、ダスティンとデンスが難しい顔をして座っており、先ほどの手紙はデンスがわなわなと握りしめている。
「すまない。まさか、アーネストがこのような暴挙に出るとは思っていなかった……」
眉間に深い皺を寄せてデンスは苦しげに言うが、眉間意外にも皺が目立つ。
「な、なぜでしょう……。どうして、アーネスト、さまは……今になって……」
離縁したいのであれば、さっさと言い出してくれればよかったのだ。
「どうして……それは私も知りたい。アーネストは、定期的にガイロの街の報告を私に送ってきていたが……たまに、オレリアの様子を知りたがるような文章もしたためてあった」
「ですが。アーネストさまは、わたしにはひとつも手紙を……」
思い出しただけで喉の奥がツンと痛む。
「今、ガイロの街は、どうなっているのですか?」
アーネストは、ガイロの街は危険だからオレリアをつれていくことはできないと言った。
あれから十二年が経っている。街の状況だって、かわっているだろう。
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