第十話

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 生まれたときから決まっていた運命のような二人が結婚をした年に、母親と義父はラフォン城を出ていった。ハバリー国という新しい国ができ、部族間の垣根がなくなったことで、他の土地にも足を運びやすくなったのが理由だ。  二人でのんびりと余生を楽しみたいというのを聞いて、どれだけ仲が良いのかと羨ましく思ったものだ。だけど、孫には会いにくるつもりらしい。  そしてアーネストに転機が訪れたのは、それから二年後だろう。  当時八歳であったオレリアと結婚した。アーネストに幼女趣味があるわけではない。  国のためにこの結婚を受けた。それに、話を聞いたときには、花嫁は十八歳という情報だったのだ。だから、けして幼女趣味というわけではない。  オレリアは八歳というわりには大人びている少女だった。  結婚式の準備が慌ただしくすすむなか、トラゴス国に不審な動きがあるという情報が入った。さらにガイロに多く住んでいるスワン族がトラゴス国と接触しそうという情報も。  アーネストがガイロに行かねばならないと判断したのは、結婚式後の食事会を終え、部屋に戻る途中に聞いた情報がきっかけだった。
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