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ジョアンとの会話は疲れる。だけど、気が紛れるのも事実。
「そういえば、閣下。知ってます?」
「何が、だ」
食堂へと向かう回廊をジョアンと並んで歩くのは初めてかもしれない。そして食堂へと向かうのも、アーネストにとっては久しぶりであった。
実はジョアンの言うとおり、オレリアに手紙を送ってからまともに食事をとっていない。腹にいれるのはつまみと酒ばかり。
「食堂で、かわいい女性が働き始めたんですよ」
口元をほころばすジョアンを見ると、なぜか冷静になれた。ジョアンはその食堂の女性に好意を寄せている。となれば、彼の想いの行く先を見守りたくなるのだ。
「そうか」
「閣下。そこはですね、そうか、じゃなくて、どんな女性なのかを僕に聞くところです」
「どんな女性だ……」
「なんなんですか。その義務感で聞いてやりましたよ、的な。投げやりな聞き方は」
聞けと言われたから聞いただけなのに、聞いたら聞いたで文句を言われるとは。
「でも、仕方ないから閣下に教えてあげます。閣下、女性に興味なさそうですもんね」
女性に興味がないわけではない。興味があるのはオレリアだけ。
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