第十一話

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 先日、彼女は二十歳になった。二年前よりもぐっと成長しているだろう。どのような女性になったのか、二年前の彼女から想像してみる。  だけどオレリアが二十歳になったのを機に、アーネストは離縁してほしいと彼女に手紙を出した。  そろそろ彼女を解放すべきだと、アーネストは思ったのだ。  成人したときに言い出せばよかったのだが、デンスが後見人から降り、アーネストと別れるとなったら、彼女にさまざまな男が殺到するだろうと考えた。  二十歳になってから――  それがけじめのつもりだった。  ダスティンからの報告書によると、アーネストと別れて他の者と再婚させろという意見が、他の族長からもあがってきているらしい。特に、オレリアと同じ年代の息子を持つ族長たちがうるさいらしい。オレリアの手紙にもそれをにおわす文章が書いてあった。だけど彼女は、その縁談を受ける気がないようなのは、手紙から感じ取れた。自惚れかもしれないが。
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