無能な男

2/154
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/154ページ
俺は親が不動産を経営してて、ニートなのにアパート暮らしだ。 俺が住んでるアパートは親が経営してるから、まぁ、実質タダ…。いや、タダじゃねぇな、何言ってんだ…。 俺は剣河(けんが)という、名前を付けられた哀れで可哀想な18の無職。東京生まれ、東京育ち、東京住み。 高校を卒業して、四ヶ月が経つ。 俺は何の能力もない…凡人以下だ…この世界では、その現実は残酷過ぎた。 この世界は前世の能力がそのまま、現世の魂に引き継がれる。 つまり、前世で、チートみたいな力を持ってたら、現世でもその力を使える。 そんな感じで、みんな輪廻転生を繰り返す。 だけど、俺の前世は中世ヨーロッパの片田舎に産まれた、ただの凡人で、そこそこの金持ち商人が住んでる屋敷の使用人をしていた。使用人の中でも下っ端な方、給料もカスだった。 それで、現世では給料すらない、今の所は。 あぁ、友達も恋人もいない…。 まぁ、環境には恵まれてる、何不自由なく過ごせてるから、それに、人生で一度も、特別、嫌な思いをした事はない。 あぁ、でもなんか、幼馴染の同級生で学生の頃、いっつもからかってくる女いたな、あいつ、何してんだろうな。 今まで生きてきた、人生の中で一番嫌だったのは、俺の好きだったアニメのヒロインが男の娘だった事かな…。 なんか、snsでもいいから、友達欲しいな…。 目標は一応ある、ゲーム実況をしてみたい、面白いネタとかも一応考えて、スマホのメモ帳にネタを書き溜めてる。 オンライン対戦で神みたいなプレイをして、それを最初に流すだろ?それで、え?俺って、このゲームの申し子…?ってテロップ出して、その後、俺がゲームでボコボコにやられて死ぬ瞬間を、連続して、バババっと流す。 ぶほぉっw絶対おもろいやんw…。 待てよ、編集のカットとかってどうやってやるんだろうな。 と、気分を高揚させながら、スマホで調べようとする時。 母から電話が来た。 その着信を、無視してやり過ごそうかと迷ったが、窓を閉めて。 電話に出た。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!