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静かな馬の前で(5)
マリア「……あたし、待ってるからね……ローちゃんが帰ってくるの……」
ローちゃん「ん、うん……おう。……まずは行ってみる。先生から…にょきにょき伸びたり縮んだりする変梃な武器をもらったんだ。君なら使いこなせるって、言われて。……でさ、俺が戻ったら……マリア、俺……お前の父ちゃんと母ちゃんに会いに行こうかな。お前と一緒に……これからのこと……話し合いたいんだよ」
マリア「う、うん! ……あたし、二人に言っとく。……お前じゃなくて、マリアって呼んでよ、これからは〜」
ローちゃん「あ、うんうん、わかったよ。……二人で、騎士団やめるか? それで、お前の、いやマリアの父ちゃん・母ちゃんと美容院やるってのも、それはそれでいいのかもしれないな」
マリア「うん、うん、うん……いいよ、それで。あたしもそうしたい……ローちゃんとなら、あたし真面目にお店やるもん! ……気をつけて行ってきてね」
ローちゃん「……行ってきます……ふふっ……はははは、マリア……の笑った顔が好きだ」
マリア「……はい、うふふふふ、ふふふふふ……ローちゃんがいないと笑えない〜〜」
ローちゃん「うん……今までごめん、マリア……」
マリア「……ぁっ、ロー……ちゃ、んん……」
ちゅっ……と、二人は初めてのキスを交わした。
「……ブルル、ルルル、ルル」
あの……お話がまとまったところで、そろそろ出発しませんかね……と、隣にいる馬は両者を促した。
ザーーーッという雨の音が、見つめ合う二人の耳へ響いていた。
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