あとがき

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あとがき

 私は相葉瑠花。81才。  私は今日、幼友達の一周忌にひ孫を2人連れて参列した。  私が人生で唯一、本気で好きになった人。  だけど幼かったから、私は恋より家族と私の人生を選択した。  それに後悔はない。  人生は勝たないと意味がない。    すべての始まりは父だった。  父は大手の会社に勤めていたけれど取引先のある社員にきつく指導して逆恨みされた。  それが殺したあの男だ。  しかもその男は父のことを調べあげて父の不正取り引きの証拠まで手に入れていた。  父は追い込まれていた。  そんな父を更に追い込むためにその男は私にいろいろ父のことを教えてくれた。そして、私につきまとうことで父を脅迫もしていた。  お金の請求だ。  私はその男が私につきまとうのを利用することを思いついた。ストーカーに仕立てることだ。あいつもお金が欲しいから警察には何も言えなかった。黙っていた。    そして、あの日は最初から殺したいと思っていた。  父から小切手を預かっていると伝えると簡単に引っ掛かった。  大地が協力してくれるかどうか、落とせても私たちも道連れにされる危険性もあった。あの男が死ぬかどうかもわからなかった。  人生最大の賭けをして私は勝ったのだ。  だけど、すぐに父の不正取り引きはばれて会社はやめることになって逃げるように親戚を頼って引っ越しをした。  危なかったのは殺した男の弟の存在だった。かなり調べて真実を知っていた。  大地から教えらてもらっていたアレルギーが役に立った。  隠し味にピーナッツの粉末を使うハンバーグが美味しいレストランに誘って話を聞いて別れた。  すべてが計算通りだった。  一番怖かったのは大地がペラペラと喋ることだった。  だから、年賀状で話させないように脅しをかけ続けた。  もう、私の罪を知るものはいなくなったのだ。私は自由だ。  本当に最後まで生き延びたのは私だった。私は人生に勝った。  でも、本当に愛していたのは沼田大地だったことに嘘はない。    あなたを思うと涙が出る。  あなたは私の80才の誕生日に歌をプレゼントしてくれていた。 「のびろ」と「恋物語」  この2つの歌が今の私のお気に入りの歌です。  夕方、小学校の前をひ孫を連れて歩いてみました。  後悔はないと思っていましたが、やっぱり、ありました。  言いたかったなぁ 「だいちー、すきだよ!」って。    (歌詞)  あなたが泣けば  私も泣いて  あなたが笑えば  大笑い  恋とは不思議な  幸せです  みんなで泣けば  笑いになって  みんなが笑えば  泣いている  人とはつながり  愛となる  [曲名・恋物語]
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