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伊賀の里の忍者である少年がある日こう言った。
「僕は赤鬼みたいな女の子が好き」
それを聞いた少女の忍者はこう返す。
「ウチは青鬼みたいな男の子が好き」
少年は少女に尋ねた。
「なんで青鬼なの?」
答える少女。
「強そうで魔物から私を守ってくれそうだから。君はなんで赤鬼が好きなの?」
「赤鬼は優しそうだから」
次の日、修行のため獣道を歩いていると少年の前に赤鬼が現れた。その赤鬼は少年に優しくてくれて「君が好き」と言う。
「ごめん」
少年は断り赤鬼と別れた。
翌日になり少女が山で修行していると、彼女の前に青鬼が現れた。その青鬼は勇敢で空から少女に襲いかかってきた鳥の魔物を倒してくれる。その後、青鬼は少女に言った。
「君が好き」
「ごめん」
少女は断り青鬼と別れた。
里で、大人忍者達はこう囁いている。
少年は赤鬼みたいにいつも顔を真っ赤にして怒っている少女が好き。
少女は、怯えて青鬼みたいに青くなり、少女から逃げまどう少年が好き。
いつになったら二人の関係は進展するのだろう、と。
忍法『変わり身の術』を覚えたばかりの二人は今日も騒がしい。
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