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だが有真の中にある疑問は依然と疑問符を抱きかかえていた。
「はぁ……ですがここへは何をしに?」
桃太郎はそれに答えると同時に来た目的を伝えようと有紗の方を向いた。
「あのレシピを頼めるか?」
「あぁー。でも材料が殆ど無くて四つしか出来ないけど?」
「十分だ」
「それじゃあ今から作って来るからそれまでの間、何か食べてって」
「折角来たからな」
そう返事をした桃太郎はまず有真の方を振り向く。
「腹は?」
「いえ、自分は――」
だがそんな有真の言葉をタイミングよくお腹の虫が遮る。
「頂きます」
「お好きなのをどうぞ。どれも美味しいですよ」
有紗は壁に貼ってあるメニューを手で指し自信に満ちた表情を見せた。
「えーっと……」
「儂はいつもの」
メニューへ目をやり悩む有真を他所に桃太郎は先に注文。
「はいよ」
「じゃあテツ君あとよろしく」
注文に対し哲也が返事をすると有紗はそう言ってお店の奥へと消えて行った。
「それでは自分はオムライスを」
「はいよ」
それから哲也はキッチンへ料理を作りに行き、二人は適当な席に座っては出来上がりを待っていた。
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