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「次はどちらへ?」
「マイム村に行こう」
「分かりました」
「さて。同窓会といくか」
そして動き出した車はマイム村へと向かい始めた。
少し距離があるだけでなく、マイム村までの道は途中から舗装されておらず車は小躍り状態。辺りは段々と木々が目立ち始め、いつしか森の中を走行していた。
「すみません。直接訪れた事はないのですが、この辺りで大丈夫ですよね?」
「もう少し先に行った所だな」
記憶にあるマイム村へと向け走っているはずっだったが、余りにも何もない景色に少し不安を感じたのかもしれないが車は正確な道を進んでいた。
その証拠に更に奥へ進むと簡素な木塀と口を閉ざした門が見えて来た。門の前には簡単に武装した二人の猿人族が門番として立っている。その内の一人が車に対し止まる様に手を上げて見せた。
門前で車が停車すると桃太郎は窓を開け顔を出しては何かを訊かれる前に用件を口にした。
「真獅羅に会い来た。桃太郎だと言えば分かるはずだ」
その名前に二人は何やら独自の言語でやり取りをしたかと思うと、門を開き中へ招き入れてくれた。
中へ入るとそこには小規模なものの森と一体化した住居が幾つも並んでいた。
「文献で読んだ事はありますが、実際に見るのは初めてです」
そう言ってゆっくりと前へ進みながら有真はフロントガラスを覗き込み上を見上げていた。
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