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 しかしその光は直ぐに真獅羅の体へと吸収された。同時に先程まで白かった毛はここまで案内した青年のように若々しい茶褐色へと変わっていた。  そしてすっかり落ち着いた真獅羅がゆっくりと立ち上がる。 「ふぅー」  息を吐きながら毛を掻き上げ立ち上がった真獅羅は先程までとは打って変わり別人のように若々しい。腰も曲がっていないお陰で背も伸びたように感じた。桃太郎より少し低いぐらいだ。 「何で俺はこんなに合わねーんだ?」 「繊細だからだろ」 「うっせー」  呆れ顔でそう言うと真獅羅は杖を拾いドアの方へ。 「準備をしてくる。下で待ってろ」  そう言い残し外へ出て行った真獅羅より少し遅れ二人も外へ。村全体が騒然としている中、下へ向かうと先に車へ乗り込み彼を待った。時間は然程掛からず村人に見送られながら降りて来た真獅羅は助手席へと乗り込む。 「それで? 次はどーすんだ?」 「奇妓栖(きぎす)のとこへ行く」 「あいつかぁー。別の奴ってのは?」 「どこにいるか知ってるか?」  真獅羅の言葉を無視し桃太郎はそう尋ねた。受け取られるとは本人も思ってなかったのか、真獅羅は自分の言葉を無かったかのように会話を進めた。 「さぁな。あんな奴の居場所なんざ興味ないね」 「それじゃあ遠回りするしかないな。とりあえず王国に戻ろう」 「分かりました」  そして有真は車を発進させるとゴーラン王国へ戻る為、村を出た。 「プルウィア」 「何か言ったか?」  すると村を出た所で助手席からボソッと声が聞こえた。 「プルウィアだ。そこにいる」 「知ってるなら先に言ってくれ」 「うっせぇ」 「それならプルウィアだ」 「はい」  それから車はゴーラン王国からプルウィアへと目的地を変更し、真っすぐ走り出した。
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