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 そして男は笑い終えると真獅羅へ向け人差し指を立てて見せた。 「俺はお前に一つだけ協力できる」 「ホントか? 俺はラッキーだな」 「あぁラッキーだ。俺はお前らが今すぐにこの店を出て真っすぐこの街を出るまで、こいつらに何もしないよう協力してやれるんだからな」  隣に立つ五人の男達へ片手を向け押さえ付けるようなジェスチャーをして見せる男。 「会わせる気はないと?」 「少なくとも怪我はせずに済む。その一杯も奢ってやる」  どうだ? そう言いたげに男は首を傾げて見せた。 「なるほど」  そう言うと真獅羅は席を立ちあがり、続いて桃太郎も立ち上がった。 「話が出来て楽しかったよ。なんならグラスごと持って行ってもいいぞ」 「楽しかったか。そりゃよかった。ならこの後も楽しんでくれ」  すると真獅羅は一番近くにいた部下の男一人を突然蹴り飛ばした。突発的な行動に少しの遅れがあったものの応戦しようと部下の一人は桃太郎へと殴り掛かる。  しかしそれを悠々と片手で受け止めた桃太郎は力づくで下げさせると握った拳で一発。鈍器で殴ったかのように一撃で床へと沈めた。
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