序章 桃太郎といふ者ありけり

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序章 桃太郎といふ者ありけり

 むかしむかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。そんなある日、おばあさんが拾ってきた桃から男の子が生まれ、名前を桃太郎と名付けました。桃太郎は立派に成長すると邪悪な鬼を退治すべく鬼ヶ島へ。  そして見事、鬼を討ち取ったのです。桃太郎は鬼が奪ったお宝を持っておじいさんとおばあさんの元へ戻ると、そのお宝を周りの村にも分けてあげました。鬼の脅威から救ってくれただけでなく、取り戻したお宝まで分けてもらった周りの村は桃太郎一行に心から感謝しました。そんな桃太郎は鬼退治の後、仲間とお別れをしおじいさんとおばあさんと共に幸せに暮らしました。  それから数十年という平和な時が流れ続けました。誰もが鬼に脅える事なく暮らし、変化の風が吹く人の世。  だが誰も知らなかった。その平和な世界の裏側では、恐怖が虎視眈々とその時を待っている事を――。
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