記憶

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 2024年5月28日清水喜美子は目を覚ました。 「ここは〜どこ?」周りは白い壁、点滴で繋がれてる腕。頭がズキズキと痛む。 「ここは〜何処?何も覚えてない。私は誰だろう?頭が痛い。何でここにいるんだろう?」 「コンコン」 「あら〜気がついたのね。清水さんよかった。あれだけ酷い事故で奇跡的に助かったのよ。頭を強くぶつけてね〜。一緒にいたお友達も無事よ」 「友達?私、事故にあったんですか?私は清水って言うんですか?」 「そうよあなたの名前は清水喜美子さんよ。頭強く打って血だらけで運ばれてきたからね〜もしかしたら?一時的な記憶喪失かも知れないわ。 目が覚めた事だし明日にでも先生に診察してもらいましょうね。少し落ち着いたら清水さんと一緒に事故に遭った友達も清水さんに会いたがってるからここに来てもらいましょうね」  「私の友達?」  「そうよ、同じ学校の生徒手帳を持っていたから同じ高校だと思うけど?事故の目撃者がね。  同じ制服を来て同じバックを持って三人で楽しそうにお喋りをしていた時に居眠り運転していたらしいトラックがよろよろと3人に突っ込んで 来て三人は事故に会ったって聞いたのよ。居眠り運転なんてする人は運転しないでもらいたいわね。でも、3人無事でよかったわ」 看護師の横井南はそう言ってにっこり笑った。  「じゃあ先生呼んできますね。目が覚めて本当に良かった」 「伊藤先生〜伊藤先生〜清水さんが目を覚ましました」 「本当か?すぐ行く〜良かったあれだけの大きな事故に遭って三人とも無事なんて奇跡だよ」 清水喜美子は担当医の嬉しそうな声を聞き 「助かったんだー。私も私の友達らしい人も?病室に今度来るって言うけど私何も覚えてないし〜 何を話せばいいんだろう?でも、友達なんだからきっと直ぐに打ち解けて話せる筈?そもそも私ってお喋りだったのかな?それともクールなタイプ?友達らしい人が来たら聞いてみよう」  清水喜美子は一緒に事故に遭ったらしい友達の事をいろいろ想像していた。「同じ制服と鞄〜私は高校生なんだ〜生徒手帳も鞄に入ってたって言うし〜きっと学校の帰り道に事故に遭ったのかな〜?どんな子だろう?友達って?名前くらい聞いておけば良かった。先生が来たら聞いてみよう。心の準備が必要だからね」 清水喜美子は友達に会うのをドキドキしながら待っていた。  そして、自分に友達がいる事を嬉しく思っていた。
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