病室で

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病室で

次の日、担当医の伊藤文也は清水喜美子を診察していた。「脳も出血していないし、酷い事故にも関わらず特別酷いダメージを受けてるような箇所はありません。やはり一時的な記憶喪失ですね。  お友達が清水さんに会いたがっています。これなら会っても大丈夫ですよ。  まだ強い刺激は駄目ですので10分間だけ清水 さんとお話ししてもいいとお友達に言っておきますね」 清水喜美子は担当医の伊藤文也に聞いた「あの〜友達の名前を教えていただきませんか?」  「磯田くるみさんと佐山ゆずさんの2人ですよ。 2人ともこの病院に入院中なんです。2人は身体に打撲や片足を骨折してしまって松葉杖で歩いてる状態なんですよ。でも2人はどうしても清水さんに会いたいと言ってるんです。10分間3人だけにしてほしいと言われたんです。  それと、後で痛みが出るかもしれないので痛み止め出しておきますから、病室で待っていてください。  お友達にすぐに清水さんの病室に行ってもいいと伝えますので」  喜美子は「はい、ありがとうございました」 そう言うと車椅子に座り迎えに来た看護師と一緒に喜美子は病室に戻って行った。 喜美子が病室に戻り20分くらい経った頃清水喜美子の病室のドアをノックする音が聞こえた。  それは、看護師の横井だった。「清水さん、お友達の磯田くるみさんと佐山ゆずさんを連れて来ました。10分したら迎えに来ますので3人でごゆっくりお過ごしください。それでは私はこれで」  くるみとゆずは「ありがとうございます」と看護師の横井南に言ってから清水喜美子がいる病室の中に入りドアを閉めた。  清水喜美子はドキドキしながらゆっくりと顔を上げた。「磯田さん、佐山さんありが……」 清水喜美子が2人にそう言いかけた時、清水喜美子は悲鳴を上げた「きゃーコスプレ?な、何?でもコスプレに見えないし〜えっ?えっ?どういうこと?」  「きゃー近寄らないでーあなた達本当に私の友達なの?あなた達人間なの〜?きゃー来ないでー」 清水喜美子はパニックを起こしていた。 「看護師さん〜看護師さん」 くるみとゆずの2人は「まだ刺激が強すぎたかしらでもね。落ち着いて聞いて看護師さんを呼ぶ前に聞いて欲しいの喜美子に近寄らないから」 「えっ?えー?何を聞くの私は夢を見ているの?きっとそうだこれは夢なんだ」 「それコスプレ?ちょっと触らせて」 清水喜美子はくるみとゆずの顔を触った。  「これ、コスプレじゃない!皮膚だ〜あなた達誰?やっぱり人間じゃないよね?」 そう言われて2人は喜美子に話し始めた   「人間じゃないのは喜美子もだよ。私達は宇宙人だよアルアル星から地球に来て人間の高校生のコスプレをして学生のふりして歩いていただけだよ。制服と生徒手帳まで作ってね。地球に行ってみたかったから来たんだよ。これ地球でスマホで撮った写真だよ」 喜美子はくるみのスマホを見た。そこにはコスプレする前と後の写真があった。  「じゃあ今の姿は?」 くるみとゆずは喜美子に言った「そうだよ。人間の姿の方がコスプレだよ」 清水喜美子は信じられずにいた。 「キャーあなた達変?私を馬鹿にしてるの? 黄色い触覚のある姿で目も鼻も口もないじゃない?看護師さーん看護師さーん助けて!助けて!」 清水喜美子はパニックに陥っていた。   看護師の横井が「どうかしました?開けますよ清水さん」 そう言うと看護師の横井は清水喜美子の病室のドアを開けた。  清水は言った「この人変なコスプレなんかしておかしいんです。私の友達なんかじゃありません」 それを聞いた看護師の横井は「あの〜?磯田さんと佐山さんがどうかしたんですか?コスプレって?」 清水喜美子はもう一度くるみとゆずの2人を見た。2人は普通の高校生の姿をしていた。  清水は「えっ?私と同じ?でも変なんです」 清水喜美子は1人パニックに陥っていた。そうだ 自分のスマホを見れば何もかもわかる。  清水はくるみとゆずと横井に病室から出て行ってもらい自分の持ち物のバックの中に奇跡的に壊れずにあったスマホの写真を見ていた。  スマホの写メの見方はくるみのスマホの使い方を見て同じように喜美子はやっただけだった。  「本当だ。私は別の宇宙からコスプレをして人間界に来たんだ。コスプレの様子まで撮ってある。  清水喜美子も適当につけた名前だとスマホの動画で私が言っている。それに磯田さんと佐山さんと私が写っている写真にもう1人写ってる。4人で写ってる。そのもう1人は……看護師の横井さん横井さんもコスプレして人間の振りをしてこの病院で働いていたんだ〜。私が?私がこんなに醜い姿の宇宙人?真っ黄色な身体目も鼻もない水かきがある手と頭には触覚〜信じられない」 「キャー」 清水喜美子は1人でパニックに陥っていた。  清水の叫び声はいつまでも病室の中で響いていた。 完  
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