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野花怪異談始〜09話オープニングテーマ♪ソウサクセミナー♫
ーー●●県●●市●●町●●噴水台広場前ーー
真夏の日差し。
木に貼り付く蝉達が鳴り響く。
この暑さでも人だかりが出来ている。
そこの近くラーメン屋で芸能人や作家がお忍びで定番醬油ラーメンを食べる人気店。
1人のベテラン男性俳優がラーメンの麺をすすって無我夢中に食べている。
そこに緑の着物着てメガネをかけた青年がラーメンを食べ終えてお勘定して店を出た後、噴水台広場前に立つ。噴水台前には楽器を携えた演奏のマネキン達が置かれていた。
そこで彼は咳をして。まっすぐ空に向かって指をさしてシキをする。
彼がシキを奏でると人々はいぶしかげに注目する。
そして鳴り響いた蝉達がピタリと突然鳴き止んだ。
「????」
人々は蝉が鳴き止んだのに気づいて少し困惑する。
「ソウサク。ソウサク。ソウサク。ソウサク」
蝉達がザワザワと聞きとれない機械音声をしてソウサクと囁いていく。そして、
「イマカラソウサクセミナーヲカイシマス。ソ・ウ・サ・ク・ソ・ウ・サ・ク・ソ・ウ・サ・ク・ソ・ウ・サ・ク・ソ・ウ・サ・ク」
と呟いた後に蝉達がビーと鳴り響く。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
蝉たちの女性機械音声があちこちで爆笑する。
ラーメン屋でラーメンを食べていたベテラン男性俳優は蝉達の爆笑にむせて鼻から麺が噴出して何事なのか、外に出た。
「ぐきゃきゃきゃぐきゃぐきゃぐきゃぐきゃぐきゃぐきゃ」
「ぐげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ」
次に気味悪い男性機械音声で爆笑する蝉達。
人々はこのおかしくなりそうな笑い蝉に耳を塞ぐ。
そして爆笑した蝉たちは身体ごと透けて中身が見えて飛んで回り人々に近づき身体や頭にあちこち止まり爆笑する。
叫んで逃げまどう人々、蝉達を叩き潰す人々、気絶する人々、スマホで警察や救急車など連絡して助けを求める人々で阿鼻叫喚なりカオスな状態になっていた。
そして先程シキをしていた青年の場所は着物とメガネだけが残っていた。
ベテラン男性俳優はそのまま立ちながら鼻から麺を出したまま気絶していた。
「ソウサクソウサク」
ぐしゃと誰かが蝉を踏み潰す音がした。
オープニングテーマ♫ソウサクセミナー♪ 完
おまけストーリー「梅田さんがんばれ♪」
梅田虫男今日もムシする。
スクワット64回
腕立て伏せ64回
レベル上げも64回
縄跳び64回
逆立ち維持に64秒。
梅田虫男今日もムシしてがんばる。
おわり♪
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