11話自転車

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11話自転車

-1- 入学式当日の朝、俺は日課にしてるムシ肉体を鍛えてから学校に向かう。 「行ってくるわ」 「行ってらっしゃい」 母親は玄関先から見送り、俺は野花高校に通学するため、ヘッドギアを身につけて自転車を乗り込み漕ぐ。 そして丁度商店街の交差点の信号機の前に停車してると、前列に並んでる女子生徒2人組も自転車待機して1人が俺に挨拶する。 「おはよう。たーちゃん」 「おっす」 俺の事をたーちゃんと呼んだ女子生徒は俺の幼なじみであるクール系ポニーテール美少女夢見#亜華葉__あげは__#だ。 俺と同じく近所に住み自転車通学だから自転車漕いでる。 亜華葉とは俺と腐れ縁だな。 「おはよう♪たーちゃん。あーちゃん」 「かーちゃん。おはよー♪」 「おーす」 そしてもう1人の女子生徒は近所の幼なじみの三つ編みおさげ美少女八木楓。彼女は石山県では知らないと言われてる有名な八木家の当主の娘である。 彼女は家柄のしきたりで白粉肌を身につけている。 あと普段着を和服を身につけていることくらいかな。 また彼女は俺たちだけ素の性格をさらけ出し、家族や友人さえ見せてない。 「俺がなぜ?」て、聞くと「私は常にクールの方が輝いて見れるからよ」と言ったな。 うん。意味不だな。 どうやら亜華葉に対抗心を燃やしてるらしい。 と、信号機が青になると俺たちは自転車道渡りしばらく自転車を漕いで目的地である野花高校に着いた。 ーー自転車置き場ーー 俺たちは適当な場所で自転車を止める。 と、亜華葉は俺の錆びれついた自転車を見て呆れ顔で言った。 「ねー。たーちゃんそろそろ自転車新しいの買い替えなよ?今まで貯めた落とし玉あるんだよね?」 「ん?ま、そうだな」 亜華葉の指摘により、俺の自転車をよく見ると辺りは錆び付いており、外装も傷だらけで色が禿げている。 この自転車は俺の師匠である梅田虫男のことムッシーに譲り受けた物である。 あと数年後したら、自転車買い替えようとしたが……。 ま、仕方ないか。 「今週の日曜日辺りに自転車屋さんに見てくるよ」 俺は亜華葉にそう伝えて俺たちは学校の中へ入った。 ー2ー ーー野花高校1年B組クラス教室内ーー 俺たち3人組は教室に入る。 そして俺の中学生時代の悪友である智世も相変わらず変わってない。 「ねー?大軌。今日の放課後いつもの場所で狩りましょう♪」 「ああ。そうだな」 こいつは女子高生と同じ制服を着て早速マニキュアを塗っているが実質男である。 こいつの名前は鐘田智世。 数少ないこの世でもない斬ることができる武霊童(ブレイド)の使い手である……ゲームの話だからな? 長い髪は智世がコツコツと伸ばした地毛のカツラでできている。 こいつは生まれた時から女装してたから、長らく付き合ってるのは俺くらいだろう。 「じゃあ。放課後、お前の自宅に集合な」 「OK~♪」 俺と智世はコンビで組みこの世でもないモノや悪霊を退治してるネットオンラインゲームにハマってる。そして最近見習い無視家になったからこっちも少々忙しいのである。 「はーい♪みなさん席についてね」 担任達らしきが来て俺たちクラスメイトは自分の席につく。 と、まさかあんたがここに来るとはな。 「みなさんよろしくね。新しく副担任してきた梅田梨花です。隣の担任梅田草……虫先生は私の叔父にあたる人だからよろしくねー」 俺は頭を抱える。 彼女はある意味残念だからだ。 例としてあげるなら、演奏はプロ級の一流だが歌声は一億流であったり、料理はプロ級一流だが味覚一億流だったりする。 ちなみにお●ちとは言わず一億流とボカしてあるのは彼女にとっては禁句だからだ。 そして俺の隣の席に肩を震えている智世。 彼はうっかり俺と智世と梨花さんとカラオケ屋に行って彼女が歌う時にすごくオンチよねーと智也が言った時彼女は歌うの辞めて彼はどこかへ連れてかれた。 その次の日智也は青ざめた様子で梨花さんと何があったか教えてくれなかった。 そして自己紹介の時に自分の名前をチョークで書くとき相変わらず梨花さんの書く字がオ……一億流であるから読めない。 ちなみにクラスのみんなは智世のいきさつを知らないので後から一億流うんぬん説明しなければならないからな。 で、その隣にいる担任の梅田虫男先生は立ったまま居眠りしながらムシしてる。 「みなさんにお伝えしたい事があります。最近、この付近野花市で自転車の交通事故が多発しておりますので自転車通学するときは安全確認してくださいね」 俺たちは了解の返事した後、軽く入学式に参加した後、俺と智世は放課後、狩りに出掛けた。 ーー????ーー 「ゥォボボボン」 俺と智世はひとなざるモノと悪霊と対峙している。 悪霊達を青白く輝く両刃の剣(ブレイド)を取り出して受け止める。 そして俺はイメージを具現化させて魔法を発言する。 その悪霊達がつぎ消滅した。 そして智世は人なざるモノに向かってブレイドを振りかざしてトドメをさして人なざるモノは消滅した。 ※ゲームプレイ内です。 ー3ー ーー鳥河大軌の自宅ーー 「ただいま」 俺は放課後の狩りに晩遅くまでかかって帰宅した。 俺は早速、母親が用意された晩飯を食べる。 両親も共働きで晩遅く帰ってきても文句もひとつも言えない。 ただ、最近両親がたまに居眠りをして帰ってくるから、俺はすごく心配するのでなるべく早めに終わらすようにしてるらしい。 「ごちそうさま」 俺は自分の夕飯後の食器の洗い物した後、自分の部屋に向かい、スマホで無視家の依頼先をチェックする。 依頼先は64件もあった。 正式に見習い無視家になってから仕事の依頼が舞い込むようになった。 あと師匠が無視したせいかその分俺の所にも来るようになった。 俺は全て依頼先内容を確認して数件ほど正式に依頼請け負い後は全て断るか無視する。 そしてやるべきことやった俺は軽くムシ肉体を鍛えて身体を動かした後、シャワーを浴びてそのまま寝巻きのジャージに着替えて就寝した。 ーー野花自転車ショップーー 「いらっしゃいませ」 俺は日曜日、自転車屋さんに来ていた。 ここでは数多くのメーカーの新品の自転車中古を多く取り扱う。 そして俺は値札と自転車をチェックしていく。 俺は無駄なお金を使いたくなかったから、安くそこそこ綺麗な扱い安い自転車を探していた。 「おっ?これ、二万円か。安いな。中古だけど新品同然だな。これにしよう」 俺は迷わずその自転車を購入して、帰り道その自転車に乗って帰宅した。 ー4ー ーー数週間後ーー 俺はいつものように買ったばかりの自転車通学するときにいつもアレが来る。 「うぉ!?」 俺の身体ごと倒れる自転車。 「いてて!ま、またかよ!?」 何故か何もないところで突然引っ張られるように自転車が転ぶのである。 亜華葉達は遅刻しないように先に学校へ向かった薄情な奴らである。 そんな俺は何度も倒れる自転車を必死に漕ぎ、遅刻寸前ギリギリのところで学校に着いた。 ーー野花高校1年B組クラス教室内ーー 「ねー?その身体の傷だらけ大丈夫なの?」 「……手鞠(てまり)か。いや、なんでもねぇーよ」 同じクラスの手鞠が俺の身体周辺に自転車で転んだ傷だらけに心配してるようだった。 俺はよく自転車が倒れるので購入した自転車屋さんや修理屋さんをいくつか見てもらったが別段に異常がないというお墨付きである。 また自転車に返品は出来ないので俺は諦めていた。 と、そんなよそに楓が俺のもとにやってきた。 「……あなたつかれてるから、気をつけなさい」 「はは。大丈夫だよ。まだまだ体力は有り余ってるからさ」 楓はふと思いつめた様子で自分の席に着いた。 そして俺はこの自転車の帰り道思い知ることになる。 ー5ー ーー????ーー 「はぁぁぁー」 「グギャアアー」 俺と智世はいつもの場所で狩りをしていた。 そして人なざるモノを討伐した後、智世と遊んだ後の自転車の夕方帰り道だった。 「ふー。今日は早く帰れたなー」 俺はいつものように自転車を漕いでいた。 そのとき、俺は目の前の自宅から古い橋に向かってる最中に俺の自転車に異変が起きる。 「うわあ!?」 俺のペダルに突然強く握る青白い手が出てきて離さないのだ。 俺は思わず驚いて古い橋に渡る直前の前に身体ごと自転車に倒れた。 ーーその時である。 古い橋がピシピシとひび割れた音がして思い切り崩れ落ちたのである。 驚愕する俺。 その古い橋は原型留めずに崩れ落ちた。 俺があのままに渡っていたら無事では済まなかった。 俺は立ち上がり、倒れてる自転車を見る。 「もしかして、俺を守ってくれたのか?」 その自転車の車輪は何も答えずチリチリと回っていた。 ー6ー ーーとある部室ーー 静かに真っ暗な部室でかすかな灯りで怪異談を語る俺。 「という俺が体験した怪異談だな」 俺は怪異談の披露終える。 楓達は真剣に耳を傾けていた。 楓はある人の影響で怪異談部を立ち上げた。 ちなみに部長は楓と顧問は居眠り無視してる梅田虫男先生である。 「うひゃー。僕怖くて自転車に乗れないかも」 手鞠は肩を身震いする。 「ふふふ。じゃあ次の怪異談は誰かしら?」 と、俺たちは夕方遅くまで怪異談を楽しんだ。 ーー踏切前ーー 俺はその日の帰り道、あの自転車で踏切に渡る途中、突然自転車が転んでしまう。 「え!?な、なんで!?」 俺の身体周辺に複数の青白い手が離さず俺を踏切の外に出さないようしている。 踏切音が鳴る。 辺りは誰もいなくすぐに助けを呼べなかった。 俺にゆっくり近づいてくる電車。 「く、くそ!?離れろ!ムシ!」 俺はとっさにムシをかけてもこの青白い掴む手が多すぎて離れなかった。 電車の警報音が鳴るが俺に気づいた車掌は急ブレーキかけるが間に合わない。 俺は無理矢理ムシをかけ続けて踏切の外を出ようとする。 『ムシ』 と、どこからか懐かしい声がした。 そして急に身が軽くなった俺は急いで踏切の外に出て大惨事を免れた。 そして勢いよく電車が自転車にはねられて変わり果ててペシャンコになった俺の自転車。 と、俺はホッと安堵した途端、周辺を見渡すと後姿に見覚えのある地味な緑の着物の男性。 「……師匠」 俺の師である梅田先生はそのまま俺の一言も挨拶もなく無視してどこかへ去った。 そして後からわかったことだがあの自転車は決して俺を守るような物ではなかった。 あれは俺をあの國へ道連れする自転車だったからだ。 楓の言った通りだったな。 自転車 完
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