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初ノ花怪異談07話うすのろ魔女
1.
ーー????ーー
もうすでに紙が「ろ」だ。
だ、大丈夫だよね。
(ぶわん)
ひっ!?現れた。
でも、大丈夫だから。この紙をーー。
ーーーーーーー。
……………。
ーー202×年09月25日ーー
暑い真夏明けの季節の到来。
少し肌寒くなってきたと感じて僕含む通行人も防寒具を着こんでるのを珍しくない。
僕は地味な学生服に赤いマフラーを首にかけていた。
そうそう、僕の名前は野花手鞠だよ。歳は15。よろしくね♪。
さて、僕は学校終わりにすぐこれからちょっとした小学校六年生の同窓会があるので向かうところだ。
丁度、近くの公園前に待ち合わせしてる彼女がいるのでそこに寄り道してから向かうよ。
え?いやいや!恋人関係ないから!!もう、からかわないでくれるかな?
彼女の名前は八木さんだよ。八木楓さん。
そうそう。彼女は最近〇〇を身につけるようになったからね。
んー?なんでかって??僕にもよくわからないだけどね。
ま、本人に聞いてもはぐらかすしさー。
それよりも怪異談聴いてくれるかな?
うんうん♪僕が初めて最初体験した怪異談だよ。
あれは、転校生初日に土地勘がわからない僕は帰宅最中にーー。
ーーーー。
2.
ーー四年前ーー
「手鞠ちゃん。さようなら」
「……うん。さようなら」
転校初日、土地勘や右も左もわからない僕は一人でまっすぐ帰宅に向かう最中だった。
(ボワン)
僕の目の前にそいつが現れたのだ。
何やら白の埴輪のような仮面を身につけた黒のフードを着込んでいた。
そいつはじっと僕を見つめている。
怖いというより、なんだろうという不気味さを感じていたが目を離したスキにそいつはいつのまにか消えていた。
ーー野花手鞠の部屋ーー
帰宅した夕飯後僕は少し気になってこの石山県のオカルトサイトや都市伝説をパソコンテレビに調べていた。
すると気になる古い記事の見出しがあった。
「うすのろ魔女の呪い?」
なんでもこの呪いをかかると魂が抜けられるとかという類いだった。
僕はそんなもん迷信だなと信じてなくてそのままパソコンテレビを閉じた。
でもまさか、僕がこのうすのろ魔女の呪いをかかってるなんて思ってなかった……。
3.
ーー通学路ーー
「おはよー。手鞠ちゃん♪」
「……うん。おはよう」
最初にうすのろ魔女を目撃してから頻繁に現れるようになった。
怖くなった僕はうすのろ魔女に関することをネットサーフィンして調べたが古い記事しか出てこなく、そのまま放置すると魂が取られる情報しが出て来なかった。
「どうしたの?手鞠ちゃん」
「ううん。なんでもないから……」
新しく出来た友人の声にも入らず僕の頭の中にはあのうすのろ魔女しか頭に入ってなかった。
ーー野花小学校6年2組ーー
「かーちゃん?どーすんだよ?部活」
「……」
私はあさっての方向見ながら、たそがれている。
カイダンセイバーズの発端は友人1人であるサトシを救出するために立ち上げた部活だ。いまさらもう用件済んだことだし。そろそろ解散しても良さそうな気がする。
私はふと皆に解散を告げようとした時にふと、学校の図書館に借りてきたのか怪異談の本をどっさりと積み上げてる彼女が目に入った。
「?……何かしら」
なぜか、その子はそわそわして落ちつかない様子だった。
私はその子が終始気になり、皆に重大なことを言いそびれてしばらく忘れるほどあの子がずっと気になっていた。
そんな子を見ていたら、放課後になってしまった。
一体なにかしらね?
4.
僕は早速学校の図書館で借りてきた怪異談本からうすのろ魔女に関する記述を探り当てた。
どうやら、うすのろ魔女から魂を抜き取りを防ぐには露店のおばあさんから御守りを買うことらしいと聞いて早速それらしき付近に辺りでそのおばあさんから御守りを買った。500円という痛い出費だが背には変えれなかった。
そして丁度、うすのろ魔女に出会うたびに御守りにある紙に書かれてある「う・す・の・ろ」の順に紙を燃やしていく。
火をつけるライターはお父さんから拝借したものだ。
大丈夫だ。これで解放されるんだと。
僕は最後の紙の「ろ」を燃やそとした瞬間意識が飛んだ。
その時、一瞬僕をにらみつける彼女が何やらスマホンでかざしていた。
しばらくして意識が取り戻すときに燃やそうとした紙が彼女によって破り捨てられていた。
5.
僕が目を覚ました頃には赤い夕焼けだった。
「気づいた?」
そこの頭の中に柔らかいモノ感触があった。
そして目の前に彼女が覗いてた。
そっか。僕あの世なんだな。
おやすみなさい……。
……。
いだだだだだだ。
思いきり頬をつねられた。
いだい。
ーー数分後ーー
「ええーー!?あのまま紙を燃やそうとしたら魂抜き取られてたの!?」
「そうよ。あなた自殺願望に見えてなかったから、しばらく様子見てたけどバカバカしいにもほどあるわ」
なんかご立腹ようだな。
「あれ?でもなんでうすのろ魔女にそう言う記述なかっただろう?」
「それはね。うすのろ魔女に為せる魔術よ。まず相手にそういう認識させてうすのろ魔女に関する都合の悪い情報はシャットダウンさせるわけね」
「なるほど~。どうりでネットサーフィンしても古い記事しか見つけられなかったのか」
僕は納得したが彼女は逆上して両肩をがっしりと掴む。
痛いんだけど?
「……あなた、なぜうすのろ魔女が世間に呼ばれてるか知ってる?」
「え?それは、薄くて呪われる魔女だから?」
何故かギシギシとみっちり肩を食い込んでいて痛いだけど。
「半分正解。あなたのような、うすのろまぬけみたいな人物だけ引っかかるから次第にそう呼ばれたのよ!!あなたなぜ相談しないの!?このうすのろ魔女はとうの昔からいるありふれた観光名所と知られるほど石山県の間では有名なオカルトよ!!あなたくどくど」
うん。なるほど~。でも説教垂れる前に両肩外して欲しいだけどな~。
結局、彼女八木楓さんから、長い間説教垂れて心配なった僕を保護者として付き添うようになった。なんだかんだ彼女、世話好きタイプだからね。今はもう、お互い仲の良い姉妹のような友人だね。楓と僕の誕生日や血液型も一緒だし、好みまで似てるからびっくりしたよ。当然嫌いな食べ物まで似ているから驚くべきほど瓜二つだからね。
え?いやいや生き別れの双子姉妹じゃないから!?本当だってば。
あははは。
ーーーー。
6.
丁度、夕焼けの赤い時間帯。
ちょっとした同窓会の帰り道に久しぶりにうすのろ魔女を目撃した。
当然僕はムシしてそのまま通過するが、ずいぶんとうんざりするほどしつこいほど頻繁に現れてきたからね。
このうすのろ魔女から見てると僕はやはりうすのろまぬけなのかなぁ。
と、まぁ久しぶり再会する懐かしむ友人かのように見えたうすのろ魔女に対して僕に微笑んでるような気がした。
うすのろ魔女 完
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