ノビール

5/5
前へ
/5ページ
次へ
※ 「ん……ここは一体?」   俺は目を覚ました。カウンターテーブルから顔を上げ、まぶたをこする。 「ご気分はいかがですか?」 「ああ酒好さん。悪い、いつの間にか寝てたみたいだ」  白いワイシャツに黒ベスト、その胸元でグレーの蝶ネクタイをさりげなく結ぶ酒好が―― 「どうかお気になさらず。こちらとしてはずっとゆっくりされていても構わないですから」 ――目尻と口角を引きのばし、微笑んでいた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加