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僕たちが殺しました
高校二年の夏、僕――真栄田徹の友達――明智裕也が学校の屋上から飛び降りて死んだ。
普通の学校の日の、普通の昼休憩の時だった。屋上は四階のその上、高さにして十メートル以上はある。裕也は当然即死。
地面に叩きつけられたのは、ちょうど二脚のベンチが並ぶ目の前だった。そこでは女子生徒が仲良く談笑しながらお弁当を食べていた。突然男子生徒が落ちてきて死んだんだ。気の毒に。
あの時の鈴を振り回したような叫び声は僕の耳にも届いた。それも鮮明に。
なぜかって? それは僕もその時屋上にいたからさ。僕がうろたえる女子生徒と目が合った時は、思わず背筋が凍ったよ。
だって何を隠そう、裕也を殺したのは僕なんだから。別に逃げようとは思わなかったよ。屋上にはずっと僕と裕也の二人だけだったし、カメラは設置されてないけど、女子生徒に見られた以上言い逃れできないからね。
すぐに警察がやってきて、僕は現行犯逮捕された。
僕はたぶん殺人罪で有罪判決を受けるだろうけど、まあ、それもしょうがないかな。
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