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第1話 『大魔術師は庶民の味方です2』本編第9話の続き
ミュリエルの腰を、そのカーブにそってゆっくりと手のひらでなぞり、フィンは頬を染めるミュリエルを楽しんだ。
*
「ミュリエル、君の悲しみも、喜びも、怒りも、全てが自分に向けばいいのにと思ってしまう。感情ですら、誰にも渡したくないんだ。どうやら、俺は本格的にバカになってしまったみたいだ。ミュリエルが愛おしくてたまらない。こんな俺を罵ってくれ、そうしたらきっと、俺のおかしな心は、淫らに感じて興奮するんだろうな」
赤くなった顔を、ギョッとさせたミュリエルに、クスリと笑うと、フィンは顔を寄せ口づけた。
「冗談だよ、どんな君にも興奮するだけだ」ミュリエルの白いブラウスのボタンを外しながら、自分で言ったことに笑った。「それだと俺は、四六時中発情してなきゃならないな。ミュリエルが誤解しないよう、変態じゃないと弁明しようとしたのに、余計に変態になってしまった」
フィンはミュリエルの頬に、チュッと口づけ、その唇を、透き通るように白い首に這わせ、ゆっくりと下へと降りていった。
目当ての部位に到達すると、舌先で弄び、ミュリエルの微かな喘ぎに、歓喜した。
恋しくて切なくて、はしたなくも触れて欲しいと思ってしまう、フィンの温かな手の温もりが、足を撫で上げると、ミュリエルは身体を震わせた。
自分が、こんなにも情欲に支配され、快楽を求めるなんて、思いもしなかった。もっと欲しい、もっと与えたいと、ミュリエルの心は貪欲になっていく。
ミュリエルは、自ら腰をそらせて胸を突き出し快感を求め、閉じた足を恥じらいながら開き、フィンの指を受け入れた。
フィンの指が、触れてほしいところを避けて、焦らすようになぞる。
甘くトロリと滴る蜜を、足の間に感じて顔を紅潮させる。ミュリエルは、足を閉じてしまいたい衝動に駆られた。
それを察したかのように、フィンはミュリエルの下半身に顔を埋め、快感を与えた。
焦らされたミュリエルの、焦燥とも呼べる欲望を感じたフィンは、ミュリエルの服をすっかり脱がしてしまい、自分も服を、鬱陶しいと言わんばかりに荒々しく剥ぎ取った。
そして、ミュリエルを抱えて自分の上に座らせた。
フィンは胸の膨らみを口に含み、手をミュリエルの腰に添えて前後にゆすった。
ねっとりと濡れたミュリエルの足の間に、フィンの硬くなった熱いそれが、押し当てられ、恥ずかしい音を部屋に響かせながら擦られる。
ミュリエルの下腹部は、痛いほどに疼き、奥の方から欲望が、こっちへおいでと手招きする。執拗に擦られ、頂きへと登りつめたミュリエルの体は、小さな悲鳴とともに疼きを解き放った。
フィンを深く感じ、繋がりたいという女の本能を誤魔化すように、ミュリエルはフィンの唇に唇を押し当てた。
突然の予期せぬ嬉しい行動に、フィンは思わず達してしまいそうになり、ミュリエルの腰を動かす手を止めた。
ひとしきりミュリエルの唇を吸ったり舐めたりして味合い、自分を落ち着かせると、フィンはミュリエルを下にして覆い被さり、腰を動かした。
一際強く押し付けられたそれは、狭く閉じた穴を先端が掠め、ミュリエルの赤く充血した部分を満たした。「ああ……」
初めての違和感に、緊張したミュリエルの体はグッと力が入り、フィンの背中に回された手が爪を立てた。「……フィン」
フィンは宥めるようにミュリエルの額に唇で触れた。
「大丈夫、入れないから、力を抜いて」
2人の荒々しい息遣いが重なり、ミュリエルは頭が真っ白になる感覚を味わい、だらりと身体をシーツに沈ませた。
フィンの腰使いが少しずつ深くなると、押し広げられる苦しさに、ミュリエルの心が満たされた。
フィンは目に涙を溜めて見つめてくるミュリエルの瞼に口づけ、煽り立てる甘やかな声色を口腔内に閉じ込め、自身の欲望をミュリエルの腹の上に解き放った。
※本編第10話へ続く……
https://estar.jp/novels/26187573
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