0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
四月
アラームに起こされ、憂鬱な朝が始まる。
アイロンのかけられていないシャツを着て、調節を諦めたベルトをしめる。
横目にテレビを見ながら支度をする。
自殺者が今月も増加傾向にあるそうだ。
まだ今月も3日しかたってない。
なのにもう二人も死んだ。
二人とも同じ駅で死んでいる事から事件性も疑われているが、あれはどちらも自殺だ。
自分の意志で落ちていった。
泣きながら、笑いながら。
一人はとても幸せそうであった。
その人を羨ましく思った。
こんな何もない人生で、死に際くらいは美しく死にたい。
そう思えた。
最初のコメントを投稿しよう!