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凪沙には手紙を残していた。
そして凪沙が目覚めたら勇斗とSに宛てた手紙を渡すように頼んである。
本当なら2人に会って直接言いたかった。
勇斗もSも萌歌も里香も母さんもセッちゃんも俺にとってはかけがえのない大切な人たち。
だから最後の時を誰と過ごすのかは選べない。
でも、最後のわがままを言わせてもらえるなら里香と一緒にいたい。
最後の1分1秒まで里香と一緒にいたい。
そして俺は今、里香と一緒にいる。
でも、伝えたい事も言えないまま俺は消えてしまうようだ。
ドラマや映画なら最高のラストシーンで涙なしでは見られないはずなのに、現実はつまらない終わりを迎えようとしている。
「りっ‥里香…俺は…俺は…」
「わかってる。わかってるから…」
ガクッ…
「三上くんっ!」
「・・・・・」
「三上くんっ!三上くんっ!」
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