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「里香ちゃん…」
「結城さん…」
私は顔を手で覆って泣きじゃくる彼女を強く抱きしめた。
とめどなく流れる涙は私の頬をつたって何度も何度も彼女の手に落ちていった。
どれくらいの時間、私と結城さんは抱きしめ合い涙を流していただろうか?
空を見上げると太陽は傾き始め、6月の中旬でも肌寒く感じた。
「里香ちゃん…」
「何?」
「もっとくっついてもいい?」
「いいよ」
結城さんはそう言うと、私の腕に手をからませ寄り添ってきた。
結城さんが私にこんな事をするのは初めてだった。
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