サイドB 終わらない戦い

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 「回りでも感染症が流行っているのにどうしたらいいのだろう?」  冴子は戸惑い焦り一人自室に籠り塞いでいた。今、葵唯が感染症にかかれば免疫が弱っている状態で重症、最悪の場合も考えられる。もちろん、諦めている訳ではない。今、分かってることはイロウ自体が熱に弱いということだ。現状ギリギリの段階までは発熱を伴わせることで増殖を押さえることが出来るのが分かっている。このこれをあと一段階あげれば……ただし、それをしてしまうと今度は葵唯の正常な細胞が不可逆的反応を起こしてしまう。このギリギリで今開発は止まっている。もし可能であればこのイロウだけに反応出来れば良いのだかそう旨いこと出来る訳がない。今だって諸刃の剣のプレベなのだ。 「助けたい……葵唯ちゃんを助けたい」  しかし、その思いだけが強くなり過ぎて、開発が進ますただ時間だけが過ぎていくことに苛立ちを隠せない冴子だった。
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