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カプセルは地上へと、その数がまるで無限にあるかのように、降り続けている。木戸根さんは平然とした顔で、空を見ながら静かに恐るべき仮説を言いだした。
「それにねえ、ぼくは思うんだ……。あのカプセル。中に入っている水といい。ただ、人間を破壊するためだけじゃないと思うんだ。恐らく、遺伝子。生態系。環境。そう、地球そのものを破壊してしまうんだね。ここからは、ぼくの仮説なんだけどね……あのカプセルを落としている大元締めは、きっと、地球全体の生態系や環境を変えてしまおうと思ってるんじゃないかな?」
「ああーん? それじゃあ、何かーーー!! てめえ勝手に、地球を破壊するのと同じじゃねえか!!」
光太郎は額に血管を浮き出して、激昂した。
それを、木戸根が両手を広げて制した。
「どうどう……。あくまでも、仮説だよ。……光太郎くん。もう一つ面白い話をしようじゃないか。君はただ感じたことを言ってくれればいい。光太郎くんの今いる星。地球が環境汚染の進み過ぎで、まったく住めなくなったら、どうしても生きていけなくなったら、どうする?」
木戸根さんは、今度は真剣な顔で光太郎の顔を覗いた。
空から降るおびただしい数のカプセルは、すでに地上を変形させてしまうほどの爆発と、周囲を破壊する水の噴霧を、繰り返している。
「そりゃ、今の時代なら……別の星に住もうとするさ」
「good! 良い答えだ!!」
「???」
「だからねえ、このカプセルを落としている大元締めも、そうなんだよ。この地球に住もうとしているんだよ」
「な!! なんだってーーーー!! そんなことのために鈴姉は!! そのクソ大元締めは、お偉いさん方に、この星に住みたいんですけど、大丈夫ですか? いいですか? って、一言いえばいいだよ!! それでいいじゃねえか!!」
「うーん。確かにねえ……それはねえ、無理ってもんだね。その大元締め。いや、さっきの生物は多分、……人間が住めるような地球では生きられないんだよ」
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