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「はあっ??」
光太郎は呆れ返って、項垂れた。
それでも。
一言だけでも……。
ほんの一言だけでも……言ってくれりゃあいいんだよ。
そうすりゃ、こっちだって考えるんだよ。
きっと……。
「ハッハッハッハ、まあ、仮説なんだし。そんなに深刻に考えても仕方ないんだよ。全部ね。ほんとのところはぼくにもわからない。だから、ぼくも真剣に考えるんだけどね」
木戸根さんは、人差し指を顔の正面に上げて、ゆっくりと左右に振った。
「大気中のオゾン層破壊物質の濃度は、国際的には生産、消費の規制によって、緩やかに減少しているんだ。でもね、今降ってきているカプセルの中の水は、ただ生態系に有害なだけでなくて、オゾン層にも有害なんじゃないかな? と、ぼくは思っているんだ」
光太郎は一連の環境の激変のせいで頷かざるを得なかった。
ただ、光太郎は、大元締めが何か良からぬことを考えていて、それが、オゾン層に有害なんだろうなって、ことだけを考えていた。
「 これも仮説なんだけどね。きっと、大元締めは寒いところで、二酸化炭素を吸引しないと生きていけないんだと思うんだ。 この地球は、温室効果ガスの増加によって地球温暖化が進むと、大気中における熱放射バランスの関係から成層圏では気温が低下することが知られているからさ」
光太郎は……静かに震えた。
「つまりは……人間が地球にいるのが邪魔だと思う奴ら?」
「うーんと、そうなるよね」
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