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とにかくだ。
どうしても。このカプセルを落としている大元締めを、焼かないとな。
でも、何故だろうか?
俺を動かすこの感情は?
鈴姉の仇かと言われれば……。
そうといえば……そうなんだろうな。
きっと……。
でも、違うといえば、そうかも知れないんだ。
危機感かもな。
自分の居場所がなくなることへの。
怖さかもな。
「あ、ほら! 光太郎くん!」
「?!」
地上へ降り続けるカプセルの量が、目に見えて増大していた。
次々とカプセルが地面に着弾して中身が破裂していくと、それと同時に、今までよりも周囲の気温が全体的に上がってきた。
「な、なんだ! この暑さは! いや、熱いぞ!」
木戸根さんは、急にスマホを開けて驚いた。そして、スマホの液晶画面に映った温度計をこちらへ向けながら、深刻な顔で言った。
「うーん……気温は今、52度だね」
「52度?!」
「うん。52度なら、12年前に日本から近い中国で国内最高気温がでたんだけど、それと同じくらいかな? でも、そこは砂漠だったようだよ」
「さ、砂漠と同じかよ!」
「あ、でもねえ。更に暑くなっていくはずだよ。この事象は、まだ序の口だと思うんだ」
「こんなの! どうすりゃいいんだ!!」
木戸根さんが、落ち着いた表情で、人差し指を俺の面前で左右に振った。
「宇宙にいるはずの元凶。つまり、大元締めを倒すんだ」
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