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クトゥルーの叫び
いまさらラヴクラフトを読んでいます。
諸星大二郎好きなのになぜ今?
生前ラグクラフトは『インスマンスの影』一冊しか本を出版できなかったそうですが、それも納得のいく文章のうるささ加減……未知の生物を書くっ! おれはっ、クトゥルーというっ、すげぇ怖い幻想の産物をっ、なんとしても書きとめてっ、このあまねく全世界に知らしめるのだっ! という志には共感しまくりなんだけど……やりすぎはやらないより悪いの典型で、わたしはめちゃくちゃ身につまされたぁ。
わたしもものすごい書きすぎなのだ。
いまどきの若人は句読点を忌みきらうと聞いているので、よくよく気をつけないとと思うんだけど、もうこれがなかなかですな……三つ子の魂百までで、そうそう直らんのですよ! 奥さん(だれだ)!
自身を顧みつつ先に先に読み進めていくと、物語として成立していて、それなりに読み応えのある作品ももちろんある。
ですが『これって単なる設定じゃね?』『これって単なる覚書じゃね?』という作品もあって、しかも読み応えのある作品でさえも『うんうん、クトゥルー怖いの、よくわかったよ』としか言いようがなく、なんだか全体的に……ぶっちゃけ、ラグクラフトはへたに小説書こうとしないで『シルマリルの伝説』クトゥルー版を書けば良かったのではなかろうか〜。
ラグクラフトより文章上手で、ストーリー作るのに優れてる方は多い。そして、クトゥルー神話を書き継いでいる作家さんが現実的に何人もいらっしゃるのが、クトゥルーという存在の魅力を物語っている。
設定だけ提案してマージンとったほうが、絶対ラグクラフト自身、得したと思うし、もっと早くにクトゥルー神話体系は世間に名を馳せただろう。
ただバーって気持ちよく書くのって楽しいけど、現実問題、売れるとなると、そこにはある一定の戦術・戦略が必要だと、あらためて痛感する読書になりました。
ではこのへんで、読書ってほんとうに素晴らしいですね、と強引に結びまーす。またまた!
最近の新潮文庫マジで読みやすい字体・字の大きさ・行間だけど、むかしのあの読みづらさが懐かしくもある……。
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