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高校野球部の試合なのだ。夏の選手権大会
であった。
決勝進出した二チームが甲子園球場にいた。
九回の裏二死走者なし点数は四点差最後の打者はカウントツーストライクノーボールあとストライク一つで負けることになる。
観客席は試合終了間際の独特の雰囲気になっていた。
かろうじて出したバットがボールに当たった。打球は野手のいないところに落ちた。テキサスヒットだ。
その後の打者は四球を選び二死一、二塁となり次の打者は大会屈指の好投手らしからぬ死球で二死満塁となった。
次の打者は今大会ふるわなかった部員だった。それが投手の投げた一球目をジャストミートして打球はぐんぐん伸びるが詰まり気味かと皆が笑いはじめる。なぜか打球は伸びてスタンドに入った。
本塁打なのだ。
同点だ。あと一点入ればサヨナラ勝ちだ。
相手投手は落ち込み交代した。
そこから三安打して逆転してサヨナラ勝ちした。
しかしあのさえないオレの打球よく伸びたな、と彼は興奮して校歌を歌った。
よく考えたら優勝しちまった。彼は信じられなかったが、本当のことだった。
(了)
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