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ソラは笑う。
「おうっ!!」
戦闘の構えを取り。
ライオンの長と向かい合う。
不思議と……先程までの絶望感は消え去っていた。
改めてソラは、今、仲間の力というものをひしひしと感じている。
居てくれるだけで、ここまで心強いのか……と。
感謝だ。
本当に……。
本当に、この八人が揃えば――できないことなんてなさそうだな。
心の底から、そう思った。
戦闘では、メンタルが大きく作用する。
先程までのぐらついた精神状態から、今は大きく改善している。
フゥー……! と息を吐き、目の前の敵にのみ集中。
すると、先程までは回避するのだけに必死だった、ライオンの長の素早い動きに……。
「おらぁっ!!」
「ガフォッ!!」
カウンターを入れられるようになった。
右足の蹴りが、ライオンの長の腹部に直撃。
「ガ……オォォ……!」
ぐらつく敵。
このチャンスを逃す手はない。
ソラはたたみ掛ける。
あらゆる攻撃で、ライオンの長を追い詰めていく。
とどめの一撃は――鼻筋への、右拳だった。
「おらぁっ!!」
巨体のライオンが、殴り飛ばされた勢いそのまま、宙を舞う。
ドスンッ! という音と共に、雪の大地へと倒れ込む。
ソラの勝利だった。
その様子を見ていた面々は、彼が勝利した姿を見て笑った。
「まったく……」代表して、ヒカルが言う。
「相変わらず……ウチの大将は化け物やのぉ」
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