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アカリのその言葉に、ソラが答える。
「つまり……――ゴールがある。ってことか?」
アカリは頷いた。
「そういうこと」
☆☆☆
結論から言うと、アカリの推理は当たっていた。
しばらくコタツで休息をした後、八人は揃って、その先へと歩き始める。
そこから先、猛獣が襲ってくることはなかった。
どうやら、あのライオンの長が、リュウセイの言うところの『雪の試練』におけるラスボスだったようだ。
八人は雪の大地を歩き、そして辿り着く。
ゴールへ。
明確に、ゴールと記載された何かがあった訳ではない。
しかし、その事実は明確だった。
雪の大地を歩いていると、突然、雪景色が霧散した。
文字通り、消えてなくなった。
辺り一面が、立ち入り禁止区域に入る前までの桜溢れる晴天の山風景に変化したのだ。
後ろを振り返ると、これまで歩いてきた筈の雪の大地が、綺麗さっぱりなくなっている。
面々の空いた口が塞がらない。
晴天の青空の桜道から、雪景色へ突如変化した時以上の、超常現象。
これはもう、『神の試練』という文言を受け入れざるを得なかった。
普通の山に変化した道を、恐る恐る、前へ前へと歩いて行くと……。
一つの立て札があった。
木で出来た立て札が。
地面に深く刺さっている立て札が。
何か書かれている。
八人は、その文字を読む。
つらつらと書かれた文章……その冒頭には、こう書かれてあった。
『おめでとう。生命力溢れるギフターチルドレンたちよ。
雪の試練、合格だ』
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