雨と霧と風の試練

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「あかんっ!!」すると、ハッとした様子でミオリが声を上げた。 「どうしてん!?」と、ヒカルが反応し。  面々もミオリへと視線を向ける。  何か気づいたことがあるのか!? と。 「洗濯物、取り込むん忘れてきてしもうた!」 「は……?」 「ゴッツイ雨やん!! オカンに怒られてまう〜!!」  この状況下での、ミオリの素っ頓狂な発言に、細目になる面々。  ヒカルが突っ込む。 「この状況で何を素っ頓狂なこと言ってんねん!! そんなん慌ててオカンが取り入れてくれてるに決まっとるやろ!!」 「いやいやヒカル……そうじゃなくて」と、リュウセイがフォローに入る。 「大丈夫だよミオリちゃん。この雨はきっと、試練を受けているボクたちがいるこの場所にだけ降っている雨だ。きっと、村の天候はちゃんと晴れているだろうから、心配しなくて大丈夫だよ」 「あ、そっか……良かったぁ……」と、ミオリはホッと胸をなで下ろした。  ミオリの不安は解消された。  しかし次は……。 「ひゃあ〜っ! 大雨だぁー! とりあえず雨宿りしよ〜!!」と、ミカンが近くの気に向かって走り出した。 「っ!? ダメでござるミカン殿!!」 「へ?」  それを、ケンタロウが慌てて引き止める。  振り向き、立ち止まるミカン。  幸をそうした。  その時、ピシャッ! ゴロゴロゴロォーッ!! という雷鳴と共に、ミカンが入ろうとしていた木に雷が落ちてきたのだ。  焦げ臭い匂いが広がり。  その木が真っ黒焦げになって倒れる。  バシャっと、ズシンと音を立てて。 「ひえぇっ!」 「雷は比較的高い物の上に落ちてくるんです! 木の下って、こういう時とても危険なんですよ!!」リリカが説明した。 「そ、そうなの!? じゃあ、雨宿り出来ないじゃんっ!!」  そのミカンの言葉に、アカリが返答する。 「その通り、このまま濡れながら進むしかないわね……」 「えぇ〜……あ、傘ならどうかな? 手品で人数分出せるけど?」 「雷に撃たれても良いのなら、好きにしなさい」 「そんなの嫌に決まってんじゃんっ!! アカリン冷たいっ!!」  ここでソラが口を開く。 「みんな……姿勢を低くしながら走るぞ。ゴールがあるなら、雷に打たれる前に、ゴールテープを切っちまおう」  頷き、八人は姿勢を低くして走り出した。
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