四章

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「やはり……他人には作用するのう、この力は……」  そう言いながら空砂さんは、羅刹様の力が弱った事を良い事に刀を引き抜いた。 「いっ……!」 「結望……っ!! 待って頂戴今すぐ治すから……っ、死んじゃ嫌よ」  深守は焦りながら言った。私を抱き締めたまま膝を着くと、傷口を治癒しようと試みる。勿論狐達も一緒にだ。  だけど、見越してか空砂さんは、もう一度羅刹様を貫いた。空砂さんはもう自分に後がないのをわかっているからか、自暴自棄になっている様にも思えた。そして、彼は血の繋がった私を道ずれにして、三人で死のうとしている。  グサリ、グサリと刺した激痛がまた襲ってくる。私は「ぁぁあっ!」と声にならない声を上げた。  それが数度繰り返される。 「嫌、やめて……、痛い……っあぁ……、いや……っ! 助け……っぁぁ……」  肉が抉られる感覚と、内蔵が潰される気持ち悪さで吐き出しそうになった。こんな酷い殺され方で、こんなところで死んでしまうのか。痛くて、怖くて、目の前のものに縋る事しか出来なくて、私はぼろぼろと涙を零した。
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