四章

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***  だけど、悪夢は一生続く訳では無い。  空砂は刀を掴み、羅刹様に刺した状態で遂に力尽きてしまった。  羅刹様も同じくして亡くなったのか、纏っていた気配が無くなっていくのが感覚で伝わってくる。空砂は羅刹様の拘束が解かれ、その場にぱたりと倒れ伏せる。  鬼族の上役は、空砂の回収と社の片付けの為早速動き出していた。  ――そして結望はというと、深守のお陰で何とか生死の境目で止まっている状態だった。 「結望、生きるのよ……結望……っ」 「結望! 起きろ……!」  皆の声ははっきりと聞こえるているのに、彼女は返事をすることが出来なかった。意識が朦朧としていて、だけど、必死に生きなきゃと自分自身戦っていたからだ。 「……結望、結望……」  深守が沢山念じてくれて力の限り結望を治そうと励んでいたが、何度も抜き刺しした事による無数の刺し傷は簡単には癒えてくれなかった。 「もう……なんで、なんでアタシは力が残ってないの……っ!」  このままでは目覚めないどころか大きな傷まで残ってしまう。  己に残された力の少なさに、自身がしてきた過去を呪ってしまいそうな程、深守は追い詰められていた。
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