堕ちていく途中…

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もたれ掛かるソファ。隣に居る彼に見入る。 「ん?何?」 その笑顔とその声のトーンが好き。 「何でもない…。」そう答えながらも彼に見入った。 「ねぇ、今日は…泊まれるの?」 その問いに彼は不敵な笑みを浮かべた。 「うん。泊まれるよ。嬉しい?」 「うん。素直に嬉しい。」 昼間の慌しい状態をスイッチを"ON"と例えるとしたのなら、彼に寄りかかる今のその状態は"OFF" 彼の首筋辺りの匂いを軽く嗅いだ。 「今日も忙しかったの?」 彼女の問いに彼は頷いた。 「じゃあ、何も考えずにこうして居たかったの?」 その問いにも再び彼は頷いた。 「映美…。」 彼の声に彼女は顔を上げた。視線が合う。身動き出来ない…いや、待っていた。 2人は再び唇を重なる。彼女は全身を彼に委ねた。 キスに相性があるのならば、彼とのそれは非常に相性が良かった。 執拗なまでの唇の重なりは私にとってはいわば、サプリメントの様なモノ。 当たり前の様にシャツのボタンを外され、その手が忍び込んでくる。 手の動きは重ねた唇に同調する様に激しさを増す。 多少の荒々しいはあるが、下着を外されると今度は露わになった胸に彼の視線が集中されるのだ。 何もせずただ、ジッと見つめられる。その羞恥にはいつまでも慣れない。 それに耐えられず片手で隠した。その手はいとも簡単に跳ね除けらるのは分かっているのに…。 「ダメだよ…ちゃんと見せてくれないと。」 顔面から脳のてっぺんまで血液が上昇する。 「灯り…少し暗くしてよ…。」 分かってる。そんな願いは聞き入れられないこと。 さっきまで重ねていた彼の唇が今度は、胸を這う。 今、私が祈ることで願いが叶うのならば… 彼は私のモノ。
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