堕ちていく途中…

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彼が…私の中に入ってきた。 息を止めれば時間も止まる。そんな事は無いと分かっていても試みている自分がいる。 無我夢中だった。目の前の彼を受け入れる事にただただ、必死になり…突き抜ける何かをひたすら感じている。 彼を引き寄せ、強く抱きしめ熱く迸った身体を抱きしめる。このまま、燃え尽きてしまっても良いとさえ感じる瞬間。 行為の最中も何度も何度も唇を重ね合う。 逢えなかった不安の気持ちはどこかに消え去り、そこには《愛されてる》という彼女自身の気持ちで今は満たされていた。 何かに我慢する様に、彼の顔が歪む。 「抱きたかった?」彼女の言葉に 「あぁ、抱きたかったよ」と答える彼。 「う…ん、私もだよ」 それらのやり取りは会話として成立していない。 お互いを求めていたという《事実確認》。 この時の彼女行動は非常に大胆になる。彼の上に乗り、 見下ろす彼の顔を眺めながら、行為に夢中になる。 《貴方を…離したくない…》 彼のモノが私の中の奥深くに入り、強く突き上げた。 漏れる声を必死に我慢し、ただ、彼にしがみつく。 その想いは彼と彼女の動きにを次第に激しくさせ、2人の心拍数も呼吸も乱れていく。 何かが迫ってくる。このまま、死んでも良いとさえさの迫りは覚悟をさせる。 次の瞬間、真っ白な空間を飛ぶような感覚…そんな曖昧な表現でしか、例えようがなかった。 彼の熱いものが…私の中に放出されるのが分かる。全身の力が一気に抜け、彼が覆い被さってきた。 乱れた髪をかき上げ、彼の唇に自身の唇を優しく重ねた。 「映美…」 脱力感で一杯だったが、彼のその言葉でそれまでいた場所から連れ戻される気がした。 終わった後の眠る彼の顔を優しく眺めていた。先程まで重ね合っていた彼の胸辺りを指で撫でたりしていた。 その胸にそっと、しがみつき余韻を確かめていた。 間違いなく1つになった事実を確認するかのように。 彼の胸越しには暗闇に光る星の数々が窓から見えた。 彼に気づかれないように、静かに起き上がると窓から見えるそれらを眺めていた。暗闇から彼女の裸体は見える事は無い。 無数に散りばめられた星空を見ていると、寂しい気持ちと期待...その両方が込み上げてくる。 いずれ此処が2人の場所となるとはいえ、あと数時間もすれば、彼はここから居なくなるのだ。 少しづつ増えている彼の荷物。嬉しい気持ちがるが反面、やりきれない気持ちもあった。 振り返ると安堵の表情で眠る彼の顔を見た。 「分かってる。分かってて…私は望んで受け入れたんだよね…。」 そっと、彼の横に戻り優しく唇を触って口付けた。 《早く私のもとへ...》 同時に冷たいものが溢れ出ていた。彼女の涙。
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