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「晴美どうした?」
晴美の後ろから尚徳がやってきた。今夜泊まりに来ていたのだ。急遽だったが晴美もちょうど作りすぎたカレーを残したくなかったのでなかなか時間の合わない彼との時間、とルンルンであった。でも残り物で申し訳ない、と思いつつもそれを何か埋め合わせしなきゃなぁと2人でまったりしていたところであった。
「なんか警察の人みたい」
「こんな時間に警察?」
晴美は大丈夫、と尚徳に無言でジェスチャーすると彼は奥の部屋に戻った。
「警察の方が何か?」
晴美は緊張とドキドキで声が上ずる。
『その、最近……このアパートで殺人事件が起こったことをご存知で?』
「は、はい」
そうだ、と晴美はゴクリと唾を飲み込んだ。
上の階のあまり面識はないのだがそこに住む若い女性、少し自分よりも若い、彼女が玄関先で殺されたそうだ。上の階だから晴美は行ったことはない。確かにパトカーが朝からすごかったのは覚えている。
下の階の人間だから、あまり面識もないし戸数も多い、そして晴美自身仕事で日中いないため警察の人とは会うことはなかった。
個人的には警察ドラマが好きな彼女は出くわしたかったし、なんならあの取り調べしたみたいなので話を聞かれるということもしたかった。
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