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【4】日常…?
「おはよーございます」
今日も教室で一番最初。
いつも通り教室の電気をつけて席につく。
最近暑くなってきたな……。
半袖の男子多いし、私も着ようかな。
ギッサも、半袖、だし……。
しばらくすると、「タッ、タッ、タッ……」と足音がした。
あ、ギッサ来た!
無言で教室に入ってきたギッサ。
うん、やっぱりカッコいい。
……ん? なんか違和感が……。
あっ!「ギッサ。今日はなんで長袖なの?」
昨日も一昨日も半袖だったのに……、今日はなんで長袖?
「えっ、えっと……。今日はちょっと寒いらしいから……」
「ふーん」
気温とか気にするんだ。可愛い……。
今は春の終わり、夏の始め。
だからまぁ、気温が上下する時期。
別に長袖でもいっか。
ふふっ、可愛いなぁ。で、カッコいい。
いつもそう見える私はもうギッサの事、日本一好きになってるのかな。
「おはよ! 和香ちゃん!」
「おはよ~、大景ちゃん」
「今日さ、朝、ちょっとギッサと話せたんだっ!」
「いいねぇ~、良かったじゃん!」
「良かった良かった!」
私がギッサを好きな事、本人は知ってるんだから大声で話しても問題ナシ。
バレても何も言ってくれないのは嬉しいけど、言ってないって事は、私に興味がないって事……なのかな……。
そう考えると少し悲しくなった。
興味がないのなら、持ってもらえるように頑張るだけ! だもんな!
——翌日。
今日は少し遅く起きてしまい、教室で三番目だった。
「おはよ~、今日はいつもより遅かったね」
「おはよー。今日はちょっと起きるの遅くなってさ……」
「珍しいね、大景ちゃんが寝坊するとか」
「なんか今日は眠かったみたいで……」
目を擦りながら話す。
朝の準備するから、と離れ、席についた。
右隣を見ると、ギッサがいる。
そして、夏月と野栄君と話している。
男子になりたかった……。
男子だったら、違和感なく二人きりで話せるのに。
……ギッサと遊んでみたいな……。
でも勇気ないから誘えないけど。
昼休み。
亜香ちゃんが久しぶりに学校に来て、嬉しい私は、ずっと話していた。
もちろん、ギッサのことが好きな事も!
「ギッサと遊びたいんだよね……」
「今日誘えば? 早く帰れる日だし」
た、確かに……!
水曜日だから部活もないだろうし。
今日なら遊べるかも……。
「さ、誘ってみる!」
「頑張れ! あのさ、ウチも遊んでいい?」
「いいよ!」
そう言って離れたけど、私は誘えるのかな……。
勇気ないけど。
今はもう昼休み終わって話せないから、帰りに言おっかな……。
いよいよ帰りの会終わって、誘う時が来た……!
なんて言おうかな。えーっと、えーっと。
……って、こんな事してる間に帰っちゃうじゃん!
「ギ、ギッサ!」
「……はい?」
「あ、あのさ、今日遊ばない?」
緊張して、時々言葉に詰まる。
断られるかな……。
「いいよ」
えっ、嘘! めっちゃ嬉しい。
「駅か他のとこ、どっちがいい?」
「じゃあ駅で」
「さ、三時に現地集合で!」
「場所は……あの猫のオブジェの前で」
「うん、分かった。亜香ちゃんもいるけど、いい?」
「いいよ」
「じゃあ、また後で」
「うん」
やったあー‼︎
ギッサがぴーなっつと一緒に帰った後、私は心の中で喜んだ。
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