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「海里、これ観て」
蒼介は目の前にあるローテーブルの上にノートパソコンを置いて、僕の隣に座りキーを押した。
なに?と思って画面を観てみると、それは男同士のセックス動画だった。
「海里は男同士のセックスのやり方知ってた?」
早鐘のように心臓がバクバクしてる。
知らない。知らないから頸を横に振る。
「さっきみたいに愛撫して、気持ち良くなってから―――…
あ、このシーン最初からじゃないけど、こういう事だよ?良く観てて」
四つん這いになっている男の尻を、後にいた男の手が鷲掴みにし広げ、テラテラと濡れたその小さな孔にペニスを宛がう。
そして、ズプリと埋め込んだ。
快感に悶えるような嬌声は、四つん這いの男の口から洩れ出た声だ。
後ろから覆い被さり腰を振り続ける男の顔にはゴーグルが着用されていた。受け入れている男もゴーグルを着けていたが、それでも顔も喘ぎ声も とても艶めいていた。
蒼介はプツンと動画を消した。
僕はドキドキが止まらなかった。
男同士のセックスシーンを観たからだろうか?
それとも、これからする行為に期待してるからなのか。怖いからなのか。答えがわからなかった。
「これからするのこういう事だよ?海里は四つん這いの男のように俺のを受け入れられそう?正直に答えて?」
蒼介は優しく問いかけて、顔を覗き込む。
「俺は今日 出来なくても構わないよ?…どうする?海里 次第だよ?」
真っ直ぐ見つめられて目が離せない。
「―――僕は…、したい…」
「男同士のセックスに興味があるから?」
まるで最終確認のような問いかけ。
「違う、蒼介が好きだから。蒼介じゃないとしたくない。したいと思ったのは蒼介だから。
だから僕は―――えっ?!」
僕はソファーに押し倒され、のし掛かってくる蒼介を見上げた。
「そんな赤い顔して、可愛い事言って。わざと煽ってる?」
「――んっ!んんっ…!」
噛み付くように唇を重ね、貪るような濃厚なキス。
口内に侵入し舌を絡ませてきた。上顎を舌で擽られ、ゾクゾクッと背中が震える。
深いキスで執拗に翻弄され、息継ぎも儘ならない。
蒼介が口内から舌を引き抜き、離れていく唇、そして、唾液の糸を名残惜しげに見つめてしまった。
「…ふ ぁ…っ…」
「ふふ、可愛い反応だな?名残惜しげに見つめて。続きはシャワーの後でしようか?時間もあるし、たっぷりと可愛いがってあげるよ?」
蒼介の情欲の滲む その瞳を、僕は見つめて頷いた―――…。
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