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今度は唇を割り、口の中に肉厚な舌が入り込んできた。 驚いて顔を離そうとしたが、頬を両手でしっかりと挟まれていたから離せない。 丁寧に歯列を、そして、舌を舐められ、上顎をなぞられる。ねっとりと口の中を動きはじめた蒼介の舌に、電気が走ったように痺れてしまう。 「ふ……ぁ、っ…んっ はっ はっぁ、」 キスははじめてで、息が苦しい。息…どうしよ…息の仕方が分からない。 蒼介は一旦 唇を離し、 「苦しい?鼻で息して」 僕の頬を擦りながらそう教えてくれた。 「―――ん…」 「ふふっ。そう、いい子だね」 また唇を重ね、口内を貪られる。 キスが気持ち良くて、蒼介の舌が僕の舌を絡め、擦られ、堪能を煽られて、僕の瞼が揺れる。 「ん……あ…、ふぁ…っ」  僕の足がガグガクと震え、シンクに腰を付けた。両手を蒼介の背中に回し、ワイシャツを掴みしがみつく。 僕の口腔内を蹂躙しながら、蒼介の片手が僕の背中を色めいた動きで撫で始めた。 口付けのクチュクチュと卑猥な濡れた水音に煽られる。 もっとしたい もっと味わいたい もっと触って欲しい もっと違う所も触って欲しい 僕もおずおずと舌を絡ませてみた。 待っていたように舌と舌が絡み合い、唾液がツゥーッと口端しから溢れ落ちる。 僕から漏れる吐息。 蒼介からも吐息が漏れる。 角度を変えて、深くなっていく口付けに、僕は翻弄され溺れていく。 なにこれ、凄く気持ちいい…… 熱に受かれたような感覚に、頭がクラクラとしてしまう。
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