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自宅に帰る間に雨がやんだ。
「ただいま…。って、誰もいないか」
両親は共働きなので、帰宅しても誰も居ない。明日 傘を返そうと思って、玄関に傘を広げたまま乾かしておく。
2階の自分の部屋に行くのに誰もいないリビングを通る。
僕は階段を上がり、自分の部屋に行き、傘をさしていても濡れてしまった制服を脱いで着替えた。
ブレザーの制服は丸洗いが出来るので、下に降りて洗濯機の中に入れて洗濯をする。
――あ、また新しい柔軟剤がある。
クンッと匂いを嗅いで、この香りはさっき先輩から香ったのと同じのだと気が付いた。
柔軟剤を入れるだけなのに、何故かドキドキした。
僕は帰宅してから休む事なく、晩ごはんの用意をする事にした。
今日はカレーにしよう。多目に作って明日も食べよう。そう思って冷蔵庫から材料を出した。
出来上がる頃に、足音が聞こえた。
カチャッ…
リビングのドアを開けて、1つ上の兄・慎理がキッチンにいる僕に顔を出す。
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