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そんな心配をよそに、侯爵夫妻はさっそく子供の『守護宝石授与の儀』を執り行うべく、王都に赴き、最も権威ある大聖堂に子供を連れてやってきた。
もちろんその聖堂の中でも最高位にあり、霊験あらたかと言われる司祭に、事前にきちんと予約を取り付けている。
聖堂への寄付金もたっぷり持って、準備万端。
「いつでも来い! ダイヤモンド!」
そんな期待に満ち満ちた侯爵夫妻の様子に、気づかれないよう溜息をつくと、司祭は気を取り直して儀式を始める。
「天と地を治める大いなる神よなんたらかんたら……」
よく聞き取れないが何やら有難そうな祈りの言葉は、司祭の腹式呼吸から生まれる深い声の響きと相俟って、神秘的かつ厳かな儀式の雰囲気を高めていった。
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