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「新しき命のために《守護宝石》を与えたまえ!」
最後に司祭が叫ぶと、赤ん坊の真上にキラキラとした光が集まり、それが徐々に形となって、ゆっくりと降りてきた。
あまりに明るい光のため、最初はどの宝石が与えられたのかわからなかったが、光がおさまってくると何やら赤い石が見えてきた。
「あ、赤? ルビーか?」
侯爵が僅かにがっかりした声音で言う。
……ルビーに失礼な。
「いえ、これは……」
何千人もの宝石授与の儀式を行ってきた経験豊富な司祭は、落ち着いた声で答えた。
「……ガーネットですな」
それを聞いた瞬間、お産の際も気丈に痛みに耐え抜いた侯爵夫人が、悲鳴を上げて失神した。
……ガーネットに失礼な。
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